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「内反足」

足・足指の症状

症状

先天性内反足は、うまれたときから図1のような足の変形がみられる疾患です。
放っておくと普通に歩行することが困難になり、変形が高度な場合には足の甲で歩くようになります。

両先天性内反足の外観

図1 両先天性内反足の外観

原因と病態

先天性内反足の原因はわかっていません。およそ1000人に1人の発生率で、男児に多く、約半数は両足で、片足の場合は2:1で右側に多いという調査結果があります。

全身的に何か疾患があり、その1症状として内反足がみられる場合もあります。

診断

見た目の変形(図1)から、内反足の診断は比較的容易です。しかし、正常な足の位置に簡単に矯正でき、足関節の動きも十分良好である場合には、胎内での不良肢位が原因のもので、真の内反足ではありません。
矯正がむずかしい場合や関節の動きが十分でなく堅い場合には、先天性内反足と診断します。

予防と治療

予防法はなく、診断がついたら、まず矯正ギプス(図2)による治療を行います。週に1回くらいの間隔でギプスを巻きかえ、2~3ヶ月間続けます。
ギプスだけで十分に矯正しない重症の場合は、小さな皮膚切開でアキレス腱を切る手術(皮下切腱術)を途中で行うこともあります。ある程度矯正したら装具によって矯正位を維持します。
どうしても十分な矯正が得られない場合には、1歳前後で本格的な手術(距骨下全周解離術など)を行うこともあります。

矯正が得られた後も、成長が終了するまで、原則的に何らかの装具は必要となります。幼児期、学童期以降に、変形の再発が見られる場合には、変形の程度に応じて、追加の手術を行います。
治療の第一目標は、足の裏を地面につけて歩行できる(足底接地)状態にすることです。

矯正ギプス(石膏)

図2 矯正ギプス(石膏)