症状・病気をしらべる

「しびれ(上肢のしびれ)

上肢の神経の障害

症状

上肢がしびれた場合には、そのしびれかた、持続時間、しびれた部位・範囲、他にしびれはないか、などによってある程度予測がつきます。
一過性のもの以外は、放置しないで整形外科医にご相談ください。

1) 一時的なしびれ

朝起きたとき、からだの下になっていた手がしびれたことなどを経験したことがあると思いますが、すぐに治ってしまう場合は、血行が一時的に悪くなったためのしびれで心配ありません。これは正座をした後と同じです。

ただし、手根管症候群では、朝方に眼がさめたときにしびれや痛みが強くなりますので注意が必要です。手指を動かすと軽くなるのが特徴です。

2) しびれの部位による考え方:

母指(親指)・示指・中指と環指の母指側半分の掌側だけがしびれている場合は正中神経の障害と考えられ、手根管症候群が最も疑われます。初期や軽症のときは、示・中指のしびれだけのこともあります。

小指と環指の小指側半分の掌背側がしびれたら、尺骨神経の障害で肘部管症候群が最も疑われます。

母指・示指・中指の手の甲(手背)側がしびれて手首が背屈しにくくなったら、橈骨神経麻痺が最も疑われます。

手背・前腕・上腕がしびれている場合や両手がしびれる場合は、頚椎の疾患や胸郭出口症候群などが疑われます。

また、両手足がしびれる場合には、頚椎疾患や神経内科が専門の末梢神経の変性疾患が考えられます。

一方、片側の手足がしびれる場合や上肢のほかに口の周りなどがしびれる場合などには、頭の中の病気(脳腫瘍や脳血管障害などの頭蓋内病変)を考えます。詳しくは整形外科医にご相談ください。

3) 自分でできる障害神経の判定:

手根管症候群を疑ったら両手の手首を直角に曲げて手の甲をつけたかたちで1分間保持します。その間にいつもの痺れが強くなれば、手根管症候群の可能性が高まります。

肘部管症候群であれば、肘の内側に軽くたたくと小指に放散する痛みやしびれを感じます。

橈骨神経麻痺では、手首や指が背屈できなくなるのでわかります。

いずれにしても整形外科医にご相談ください。