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整形外科の特徴

整形外科診療の特徴

整形外科疾患に対する医療を大きく3つに分けて考えてみます。

1.高齢者のQOLを支える医療

65歳以上の人口の推移

 人工股関節・人工膝関節置換術、頚髄症・腰部脊柱管狭窄症に対する除圧術、手根管症候群に対する開放術、肩の腱板手術などによりADLの目ざましい改善がみられ、旅行、ゴルフ・テニス・スキーなどのスポーツも可能になります。さらに、生活習慣病ともいえる骨粗鬆症に対する薬物療法の進歩発展が見られ、その結果、生活の行動範囲が広がるとともに、患者さんが治療効果を実感として享受できるため、患者さんに満足していただける受診科でもあります。

2.エビデンスに基づく幅広い治療方針

 薬物療法、理学療法、運動療法、ブロック注射等の保存療法、手術療法、日常生活指導などエビデンスに基づいた治療の選択肢があります。その中から医師、医療スタッフと患者さんとの共同作業の上で医療の根幹を支えるインフォームド・コンセントの重要性を認識し、最良の治療方法を選ぶという醍醐味があります。

3.水準の高い治療で早期の社会復帰をサポート

 疾病、障害、疼痛のために就労、就学、スポーツ活動が妨げられている人の早期の社会復帰をサポートします。これにより運動器疾患、障害の患者さんのほとんどの方が社会活動に従事しています。

したがって、その治療効果に対する患者さんの期待が高く、それだけ高い水準の治療が要求されます。

運動器に関する障害・外傷の1次ならびに2次救急医療の後に発生する後遺障害に対する運動器リハビリテーションは、ここ数年、整形外科の手法を用いることで飛躍的に進歩しております。

整形外科は交通事故などの救急外傷も担っており、その守備範囲は大変広範囲にわたっています。教育機関にあっては一般整形外科を広く研修した後に、それぞれ専門分野に分かれてより高度な研修をおこなうことができます。たとえば、脊椎・脊髄、腫瘍、関節、外傷、手の外科、リウマチなどsubspeciailtyを習得するシステムになっているところが多いと思います。

幅広い治療方針で早期の社会復帰