マスコミ・行政の方へ

保護者・養護教諭・学校医向けFAQ

Q「過去に痛みがあったか」という項目は必要?
――本校で使用した調査票では、「過去にひじの痛みがあった人は、○をつけてください」という項目がありました。本校では現在問題がある生徒よりも、この「過去に痛みがあった」という生徒のほうが多かったです。過去の痛みについて問診する理由はなんでしょうか? また、○がついていた場合は検診でどのように生かしたらいいですか?

A

運動器の疾患では無症状の期間がある場合も
 疾病による痛みについては、当初無症状の期間があるほか、持続的に痛む場合と、不定期に症状が生じる場合があります。そのため、検診時に痛みがなくてもチェックする必要があるのです。
 例えば、小学校高学年から中学にかけて、野球などで肘を使い過ぎた結果、「野球肘」を生じることがあります。年齢やポジションなどでも異なりますが、内側型の野球肘は野球少年少女の約30%が発症。外側型で進行すると、将来にわたって重大な後遺障害を残しかねないOCD(離断性骨軟骨炎)になることもあります。OCDも野球少年少女の約3%にみられます。決して稀なものではありません。検診では、肘関節の可動域に注意し、左右差があれば整形外科専門医を受診させてください。
 肘に限らず、くり返し同じ部位に痛みを生じるようであれば、専門医を受診させましょう。「過去にひじの痛みがあった人は、○をつけてください」より、「過去に同じ部位にくり返し痛みがあった人は、○をつけてください」のほうが良いかもしれません。


他の質問を読まれる場合はこちら