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保護者・養護教諭・学校医向けFAQ
X線での検査結果と問診の結果、二つをどう見る?
――本校ではX線での検査を行っています。問診時に肩の高さや前屈時の肩甲骨の高さに左右差があるとの申し出があっても、X線での検査では引っかからなかった場合は、さほど重症ではないと考えても大丈夫なのでしょうか?

正確な診断にはレントゲン撮影が必要です
側弯症の検査はこれまでも学校健診において必須の検査項目でしたが、改正によって家庭(保健調査票)でも学校(直接検診)でも二重にチェックすることになりました。側弯症を早期に発見する方法には、①前屈させて肋骨隆起・腰部隆起の有無を調べる(前屈試験)、②左右の脇線の曲線が非対称になっていないか調べる、③左右の肩の高さが違っていないか調べる、④左右の肩甲骨の高さや位置が違っていないか調べる方法があり、このうち“前屈試験”がもっとも信頼性の高い方法です。しかし、前屈試験で異常があるからといって、側弯症であるとは言えません。その信頼性は80%といわれています。
正確な診断にはレントゲン撮影が必要です。
レントゲン検査で側弯の程度(Cobb角)を計測しますが、軽度側弯(30°未満)の場合には定期的に経過を観察して進行を見逃さないようにし、中等度側弯(30°~50°)の場合には、装具による矯正治療が行われ、高度側弯(50°以上、胸腰椎側弯・腰椎側弯の場合は40°以上)の場合には手術療法が必要になります。(参考:日本側彎症学会ホームページ)
ご質問の「X線での検査では引っかからなかった場合」が、「全く異常がなかった」のであれば心配はありませんが、「軽度側弯」であったのであれば定期的に経過を観察する必要があります。
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