一般の方へ
保護者・養護教諭・学校医向けFAQ
それぞれの部位でどんな病気が疑われるのですか?
――検診で「異常あり」とされた場合、どのような病気が原因と考えられるのでしょうか? 項目ごとに教えてください。

しゃがみこみができない原因は?
しゃがみこみができない原因としては、股関節・膝関節・足首の関節などに固さや疾患がある場合、脊椎や大腿部や腓腹部(ふくらはぎ)の筋肉が固い場合、バランスが上手くとれない場合などがあります。
痛みを伴うケースでは、痛みがある部分に異常があることが多いでしょう。痛みなどの症状がなくても、固いままで放置していると外傷(ケガ)や障害(故障)を生じることもあるので、ストレッチングなどを行って改善しておく必要があります。

片脚立ちができない原因は?
最も多いのは筋力の低下やバランスの未発達によるものでしょう。
その他にも、発育性股関節形成不全(以前は先天性股関節脱臼と呼ばれた)・ペルテス病・大腿骨頭すべり症などの股関節疾患をはじめとする下肢の関節疾患のほか、脊椎の疾患、筋疾患、神経疾患なども考えられます。運動器の異常ではなく、平衡機能障害や視力障害が原因になっていることもあります。
このように、“しゃがみこみができない”あるいは“片脚立ちができない”児童生徒の中には重大な疾病が隠れているケースがあるので注意が必要です。

腰を曲げたり反らしたりすると痛みがある時は?
中学生くらいの年齢で、腰を反らすと痛みがある場合には、腰椎疲労骨折(腰椎分離症)の可能性が高いので特に注意が必要です。腰を曲げた時に痛みがあり、下肢にも痛みや痺れを伴う場合には腰椎椎間板ヘルニアが強く疑われます。その他にも脊椎にはいろいろな疾患が起こりますので、腰痛があれば整形外科専門医を受診するよう勧めましょう。

肘の屈伸に左右差がある原因は?
肘関節の疾患、またはその後遺症が考えられます。小学生から中学生にかけて特に注意が必要なのは、野球などのスポーツによる肘関節の障害です。特にOCD(離断性骨軟骨炎)は、一生にわたる後遺障害が残ることがあるだけに注意が必要です。
他の質問を読まれる場合はこちら
- 運動器検診の対象は?
- 「過去に痛みがあったか」という項目は必要?
- しゃがみこみを事前に練習させるのはOKですか?
- 家庭と学校、二重チェックは必要ですか?
- 学校医の先生にどうやって情報を伝えればいいでしょうか?
- 保健調査票配布のベストタイミングは?
- 学校医によって実施方法が違うのですが…
- 検診結果が「全部成長痛」!?
- かかとはつけたまま? あがってもいい?
- 整形外科以外の医師が行う検診時のポイントは?
- 経過観察か専門医受診かの判断が難しいです
- 肥満でしゃがみこみができない子どもは?
- どんな服装で行うのが適切ですか?
- 検診時間を短縮したい!
- 異常があるのに部活に参加している生徒がいます
- どうして運動器に不具合が出るのですか?
- 毎年実施しなければならないのですか?
- 運動不足の子が受診を勧められているのですが…?
- 整形外科以外の医師が運動器検診を行うには?
- なぜ整形外科の学校医を配置してくれないのですか?
- X線での検査結果と問診の結果、二つをどう見る?